「生産技術って転職しやすいの?」
「転職先はどこに需要があるの?」
生産技術としてのキャリアや転職市場での需要に不安を感じていませんか?
結論を申し上げると,生産技術の需要は高いです。
「よし,オレは生産技術だから将来は安泰だ」
決して将来安泰というわけではないのでご注意ください。需要に合ったスキルを身に付けないと市場価値は上がらないのです。
逆を言えば,ちゃんとした実績を積めば,どの会社でも活躍できる強みが身に付きます。需要の高いスキルを身に付けて,キャリアの幅を広げませんか。
本記事では生産技術が転職しやすい理由3つと主な転職先を紹介します。
今は転職を考えていない人も今後のキャリアの参考になれば幸いです。
生産技術が転職しやすい理由
(1)生産技術自体の需要が高い
そもそも生産技術自体の需要が高いです。
理由は大きく2つあります。
不人気で人手不足だから
不人気の理由
- きつい
- つまらない
- 負け組と思われている
プライベートの時間を確保できないことや調整役が多いこと,仕事が地味なこと等,不人気な理由は多くあります。
私個人としては,総じて生産技術は地味だということが不人気である大きな要因だと考えています。残念ながら,私の周りには,私も含めて希望して生産技術になった人はいません。皆,華のある開発や設計がやりたいんですよね。
生産技術が不人気な理由について、詳細は「【すぐ辞めるのは危険】生産技術を辞めたい理由3つとその解決方法」をご参照ください。
ただし,人には適性があります。配属も適性を見て決められている場合が多いので,ネガティブに捉えず,先ずは目の前の仕事で成果を出してから,キャリアを決めましょう。(参考:「「希望と違う配属になった」配属部署が希望通りにならない理由と対処とは?」)
生産技術は不人気な職種ですが、メーカーとしてはモノづくりを続けなければならないので,必要不可欠な存在なのです。
現在の市場において、自動化やIoT推進に力を入れたい企業が多い中で生産技術は不人気な職種なので,需要と供給が合っていないのです。そのため,年収の良い会社にひょいっと入ってしまうことも可能です。
自動化やIoTを推進する企業が多いから
多くの企業は自動化やIoT,DXの推進により,省人化やコスト削減,故障予測,安全・品質トラブルの未然防止,属人作業の廃止等を実現したいと考えています。ロボットやデータを駆使した仕事は生産技術の特徴の一つです。
求人情報を見ても,自動化やDX推進を理由に増員する企業は非常に多いです。
私は前職で様々な業界の工場を見る機会がありましたが,紙で管理している工場がほとんどでした。今後,自動化やIoT,DX推進の需要はさらに高まると予想できます。
そのため,自働化やDX推進の経験があると大きな強みになります。チャンスがあれば積極的に手を挙げて経験することをおすすめします。
メーカーにはハードに強い機械系の人が多いので,ソフトが分かる人は重宝されます。
これからの時代、プログラミング言語を必ずしも書ける必要はありませんが、一般教養としては知っておくことをお勧めします。(参考:「未経験者がAIジョブカレを受けた感想・評判【Python+数学講座】」)
(2)現場や設備の専門的知識がある
現場の知識
製造業としては現場を大事にしなければなりません。
「もっと作業しやすい設備にしてくれよ」と製造に文句を言われたり,「なんでこんな設計にしたんだよ」と無茶な設計に対応したりすることが多くあります。
現場の苦労や気持ちが分かるからこそ,作業しやすい設備,加工しやすい設備,作りやすい製品を設計,開発することも可能です。生産技術のキャリアを生かして,他の技術職に就くのも選択肢の一つです。
設備の知識
設備の調整や立上を自分たちで行います。そのため,設備の知識は嫌でも身に付きます。
加工条件やリスクアセスメント等は経験値がモノを言います。「この人は何を根拠に言ってるんだろう」とベテランの方に思うことも多々ありますが,結構当たります。今はノウハウをデータ化し,AIで属人的な項目を排除しようと試みる企業も多いですが,まだまだ先は長いです。
設備の導入,立上の経験は大きなスキルになるので,積極的にプロジェクトに参加しましょう。
(3)汎用性の高いスキルがある
他部署や他メーカーとの折衝スキル
自分たちのよく知る人たちとコミュニケーションを取るのは楽ですが,他部署や他メーカーとのやり取りは気を遣います。設備の導入や新製品の量産になると,嫌でも色んな人とコミュニケーションを取らなければならなくなります。
経験を積めば折衝スキルは高まるので,初めは上手くいかなくても心配は要りません。
「折衝のコツはないの?」
私の経験上,最も意識していることは一方的に仕事を押し付けないことです。「これは私がやるので,こっちは任せてもいいですか?」と,自分も動いてるんだということを伝えてあげると,「しょうがないからやってやるか」と,思ってもらえる可能性が高いです。状況や場面によっても変わるので,場数を踏んで慣れると良いと思います。
なお、折衝スキルは,設計や開発,その他の職種でも必要になります。
問題解決スキル
現場改善を主にやっている生産技術は,問題解決スキルが高いです。現状把握から始まり,分析,問題点抽出,原因と対策立案,対策実施,効果確認,歯止めまで,しっかりと行うと大きな経験値になります。
また、問題解決は現場改善だけではありません。事務所での職場改善や経営改善でも問題解決スキルは役に立ちます。
問題解決のスキルは、どんな職場でも活躍できるスキルなので,しっかり身に付けると市場価値は高まります。
マネージメントスキル
折衝スキルと似ていますが,ラインの立上や設備の導入などは,あらゆる部署やメーカーを巻き込んで進めますので,人の調整が必要になります。また,予算管理や納期管理も同時に行うので,総じてマネージメントしていく必要があります。
「そんな大層なことできないよ」
という方も心配は要りません。大人数の関わる仕事や莫大な予算を扱うことはなかなかありません。実際は単体の設備導入が多いです。
小さい経験を積んでいき,大きなプロジェクトが動きそうなときに手を挙げられるように準備しておくと良いです。マネージメント経験があるとどの企業でも重宝されます。
生産技術の主な転職先
(1)生産技術としてキャリアアップする
異業界への転職は、扱う製品は違えど,仕事の進め方に大きな違いはありません。そのため、他業界の生産技術で活躍することもできます。
工場の環境や給料は業界によって大きく左右されるので,業界をずらすこともおすすめです。
また,今の会社に不満がないのであれば,そのまま出世することも選択肢の一つです。ただし,その場合でも市場の需要を意識した方が良いです。
大事なのは,「今の会社の肩書」ではなく,「何ができる人間なのか」です。
需要調査とスキル磨きをして市場価値を高めることで,いつでも転職できる状態にしておくことをおすすめします。市場価値を知る方法の詳細は「【他社でも活躍できますか?】市場価値を知る方法と市場価値を高める方法」ご参照ください。
(2)コンサルタントとして活躍する
現場改善や製造業の経験を生かして,コンサルタントとして活躍することも可能です。コンサルティングファームには,製造業に特化した会社も多く,現場経験者の需要も高いです。
ところで,コンサルとは何かと言うと,現場改善や経営改善等の課題解決がメインの仕事です。
企業の経営改善ということもあり,確実に結果を出さなければなりませんし,責任が非常に大きな仕事です。簡単ではありませんが,興味のある方はチャレンジしてみるのも選択肢の一つです。
(3)異職種への転職でキャリアアップする
メーカーの根源である現場の実態を知っているため,異職種でも活躍できます。
例えば、設計・開発では,製品の作りやすさを考慮したり,あるいは作業のしやすさを考慮した設備を設計したりできます。他にも,コスト管理や生産改善の経験を生かして生産管理としても活躍できますし,品質管理の経験を生かして品質保証として活躍することもできます。
生産技術で培ったスキルは他の職種でも大抵生かせるものがあるはずです。
もし,他の職種をチャレンジしてみたいのであれば,希望の職種で必要なスキルと培ってきたスキルの共通点を探し,希望の職種で生かせることをアピールすると良いです。
製造業は軸ずらし転職がおすすめ
「軸ずらし転職」は,『転職と副業のかけ算』の著者であるmotoさんが,キャリア及び年収アップの秘訣として提唱した転職マインドです。
『転職と副業のかけ算』という本は,転職を少しでも視野に入れる場合には読むことをおすすめします。年収240万から5000万を超えるに至ったmotoさんの経験を元に,年収アップや転職エージェントとの付合い方についてまで書かれています。
年収は「業界×職種」で決まります。つまり、「稼げる業界×稼げる職種」になれば年収は大幅に上がります。
同じ業務内容でも業界によって年収が変わるのです。
しかし、専門性もなく未経験の場合、転職のハードルは非常に高くなってしまいます。そこで「軸ずらし転職」の出番です。
「軸ずらし転職」は、今までの経験や専門性を生かすことができるため、転職のハードルが下がります。「軸ずらし転職」をしながらキャリアアップしていけば、「稼げる業界×稼げる職種」に到達することも夢ではありません。
業界や業種を変えるだけで年収が上がる可能性は確実にあります。詳細は「【業界・業種で年収が違う】製造業(メーカー)の給料は安い?業界・業種の年収比較」をご覧ください。
生産技術に転職したい【よくある疑問】
(1)生産技術の転職に有利な資格は?
生産技術に資格は不要です。知識やスキルに関しては、機械や電気などの設備関係の知識があることが望ましいですが、以下のスキルが最も重要です。
生産技術に重要なスキル
- コミュニケーションスキル
- 調整スキル
- 問題解決スキル
詳細は「【資格は不要?】生産技術に必要なスキルとスキルアップの方法」をご参照ください。
(2)生産技術に向いている人は?
生産技術は縁の下の力持ちのような存在です。そのため、以下の性格が生産技術に向いています。
生産技術に向いている性格
- 忍耐強い
- 前向き
- 調和を重んじる
詳細は「生産技術に向いている人の6つの特徴【縁の下の力持ち】」をご参照ください。
(3)生産技術におすすめの転職サイト・転職エージェントは?
メーカーの転職には、メイテックネクストがおすすめです。エンジニアに特化した転職エージェントであり、エンジニア求人数No.1だからです。
メイテックネクストの詳細は「【エンジニア転職ならココ】メイテックネクストの対応がひどいのはホント?口コミ・評判を紹介」をご参照ください。
さらに、メーカーの中でも関西ならタイズがおすすめです。関西の優良メーカーの採用シェアはトップクラスです。
タイズの詳細は「【関西メーカーの転職ならココ】タイズの評判は悪い?評判・口コミを調査」をご参照ください。
まとめ
今回は生産技術が転職しやすい理由と主な転職先を紹介しました。
転職を考えていない場合でも転職サイトに登録しておくことをおすすめします。市場の需要と自分の能力を知っておくことで,今の会社が急に倒産してもすぐに転職先が見つかります。
私も決して意識高い系ではないですが,将来の不安を考えると行動せざるを得ないと思っています。また,市場価値を高めて,どの会社からも欲しがられる人材になれば,理想の環境で働くことも夢ではないと思います。
将来を見据えて,キャリアの幅を広げてみませんか。
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