「生産技術きつすぎてもう嫌だ」
「生産技術じゃなくて開発がやりたい」
「このまま生産技術として働いていていいのかな」
社会人として働いて数年経つと,色々と思い悩むこともありますよね。
実は,30歳前後で今の仕事に不安や不満を覚え,転職するかどうか悩む人は多いようです。
私も含め,多くの友人も悩んでいました。
この記事を読んでいる頃には,今の会社を辞めたいという気持ちが強くなっている頃だと思います。
ただ,感情的になっている状態での転職や異動は,納得感や幸福感を生まない可能性が高いです。
転職に関する書籍を色々読んでいますが,どの書籍にもポジティブな転職にすべきだと書かれています。
私もその点は同意しているので,先ずは,冷静に今後のキャリアを考えることをおすすめします。
私は大手メーカーで5年間基本設計(エンジニアリング)を経験した後,大手メーカーの生産技術として3年間働いておりましたが,納得感のある転職でした。
そこで今回は,納得のキャリアにするため,生産技術を辞めたい理由とその解決方法を私の経験を踏まえて紹介します。
転職したいと思っている方や将来に不安を感じている方の参考になれば幸いです。
生産技術を辞めたいと思う理由
(1)不満で辞めたい
生産技術特有の不満
・仕事がきつい
- プライベートの時間が確保できない:休日出勤や突発のトラブル対応,長期出張
- 板挟みになる:上流部門のしわ寄せ,製造部門の不満対応
- 納期とコストが厳しい:やりたいことができない,生産優先
- ガテン系:汚い環境,危険な環境で作業
業界や会社にもよるんですが,休日出勤や残業が多く発生する傾向が強いです。
私の職場も休日出勤が慢性化していて,非常に不満を感じています。
また,いわゆる3K(汚い,臭い,危険)の環境で作業することになるので,どうしても合わない人も多くいます。
下記のブックハックブログのページでは、化学業界特有のキツさ書かれています。業界によっても環境が異なるので、化学業界に興味がある方はご参照ください。
・仕事がつまらない
- 調整業務が多い:色んな部署,メーカーと関わる
- 書類づくりが多い:手順書や記録紙等の標準書類の作成が多い
- 保守的:メンテナンス性や操作慣れの観点から新しい技術の導入が難しい
製品の量産準備や生産性,品質の管理と幅広く関わるため,色んな部署とのやり取りが発生します。
また,設備の導入からメーカーとのやり取りも多くあります。
調整業務が多く,何でも屋になりやすい一面があり,これを嫌だと思う人も少なくありません。
そして,想像以上にデジタル化が進んでいないのが実情です。
前職で他社の工場を訪れることが多かったのですが,どの会社も紙の管理が多かったことを覚えています。
システムを丸ごと変えなくてはならないので,コストが非常にかかることが大きな要因かと考えます。
また,工場特有なのか,保守的でやりたいことがなかなかできないことも多くあります。
職場環境による不満
- 上司との人間関係
- 勤務地が嫌だ
- 転勤が多い
- 残業が多い
- 給料が安い
- 会社の方針に共感できない
一般的に,不満に感じることが多いものを挙げています。
この中で,時間的展望が期待できる項目には注意が必要です。
例えば,上司との人間関係や勤務地に関しては,人事異動によって解決される可能性があります。
そのため,我慢していればいつか状況が変わると思い,動けない人が多いです。
そして,我慢しているうちに,動くタイミングを逃したり,病んでしまうケースがあるんです。
なので,いつでも動ける準備をしておくことが重要です。
(2)将来が不安で辞めたい
- 生産技術は潰しが効くのか
- 会社の将来が不安
- 漠然と将来が不安
- 生産技術は負け組だと思われている
生産技術の仕事には華が無く,地味なイメージが持たれています。
その上,地方の汚い工場での仕事なので,生産技術は負け組だと思われることも多いです。
また,会社や業界に対する不安を持っている方も多いのではないでしょうか。
どんなに経済的余裕のある人でも不安はあると言います。
大企業でも危機的状況に陥る昨今なので,将来への不安は常にありますよね。
(3)配属が不本意で辞めたい
- 希望の配属と違った
- 他に内定が出なかった
- 生産技術に向いていない
そもそも希望した配属と違っていたという方も多いと思います。
ただ,人事もあなたの適性を考慮して配属を決めており,結果を出しやすい部署配属になっていることが多いです。
なぜなら,結果を出せないとモチベーションが下がってしまうからです。
私も元々開発を希望していたのですが,残念ながら生産技術に配属されました。
前職も多くの人と関わる部署に配属され,初めは嫌でしたが,最近では思ったより向いているなと感じています。
とは言ってもやりたいことができないと面白くないですよね。
「向いていること」と「やりたいこと」は違うんですよね。
生産技術を辞めたい場合の解決方法
(1)不満が理由で辞めたい場合
転職を考えるきっかけは,大抵不満からだと思います。
私もサービス残業の多さが初めのきっかけでした。
でも,実は不満ベースの転職は幸福感を得にくいんです。
なぜなら,1つ不満が解消されても他の不満が出てくる可能性が高いからです。
これは,書籍『働くみんなの必修講義 転職学 人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは』の中で,調査結果を元に書かれています。
転職したとしても,不満のもぐらたたきになる可能性が高いんですね。
「じゃあどうすればいいの?」
STEP 1.キャリアの棚卸をする
- 過去:自分は今まで何をやってきたのか
- 現在:今の自分は何ができるのか
- 未来:将来何がやりたいのか
STEP 2.自己分析をする
- 才能:自分の得意なことは何か
- 情熱:自分の好きなことは何か
- 価値観:自分が大事にしていることは何か
STEP 3.相談して自分のストーリーを確立する
- 親しい人に相談する:安心感を得る
- 転職エージェントに相談する:客観的意見を得る
⇒確固たる転職の軸を決める
STEP 1. キャリアの棚卸をする
転職活動する人はやっている人も多いと思いますが,転職活動をやっていない人もやることをおすすめします。
悪かったことを反省する人は多いんですけど,良かったことを内省する人は少ないんです。
自分は何ができる人間なのかを把握しておくことは,社内でのアピールにも繋がりますよね。
後述しますが,どんな大企業に勤めていても,どんな大金を持っていたとしても,不安が無くなることはありません。
そのため,客観的に自分を見つめ,他の会社でも活躍できるようにしておくことが大事です。
STEP 2. 自己分析をする
やりたいことを明確にするためです。
「才能」「情熱」「価値観」が交わる部分が「本当にやりたいこと」であると,書籍『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』に書かれています。
「価値観」というのがなかなか難しいんですが,私の経験上でも少なくとも「才能」と「情熱」が交わる部分は,転職において大きな判断基準になると考えています。
STEP 3. 相談して自分のストーリーを確立する
誰かに話すことで,自分の考えを整理できますし,客観的な意見をもらうことで軌道修正できます。
また,転職は非常にストレスがかかるので,孤独な活動を避けるという目的もあります。
転職の軸を明確にすることで目移りすることがなくなるので,確実に「自分」を整理して活動を始めましょう。
転職エージェントは登録無料であり,転職を強要されるようなことはありませんので,少しでも迷っている方は登録することをおすすめします。
どのエージェントがいいか分からない場合は,規模の大きい下の3つに登録すると間違いないです。
大手転職エージェントは求人数が非常に多いため,初めて転職する方におすすめです。
もっと詳しく転職エージェントについて詳しく知りたい方は「自分に合う!タイプ別おすすめ転職エージェント7選【体験談を添えて】」をご覧ください。
(2)将来への不安が理由で辞めたい場合
先ずは生産技術からのキャリアを知りましょう。
代表的なものを挙げてみます。
- 生産技術として活躍する:海外工場支援,工場経営マネージメント,他業界に転職する
- 他職種に異動する:現場を知るジェネラリストになる
- コンサルタントとして活躍する:経験を武器にする
- その他:起業,他業界・他職種への転職する
社内に残るのも選択肢の一つです。
特に,大企業では海外に工場を持っていることが多く,グローバルに活躍したい方には,高い確率でチャンスが来ます。
また,コンサルタントとして活躍するキャリアも多くあります。
私も転職エージェントに登録していますが,コンサル業務の紹介やスカウトは多くもらっています。
会社の経営状況や現場を改善する業務になるので,興味がある人にはやりがいがある仕事だと思います。
「どんなキャリアがあるかは分かったけど,具体的には何をすればいいの?」
STEP 1.キャリアプランを作る
- 人生の理想像を考える
- 現状を考える
- 「理想」と「現状」のギャップを埋める方法を考える
STEP 2.市場価値を知る
- 市場で何を求められているかを知る
- 自分は何ができるのかを知る
- 他の会社でも通用するスキルを高める
- いつでも転職できる状態にする
転職を考える上で,絶対に読むべき書籍『転職と副業のかけ算』に書かれていますが,上記2つのSTEPは踏んだ方が良いです。
STEP 1. キャリアプランを作る
先ず「人生の理想像を考える」ですが,仕事は一旦無視してOKです。
何でもいいので,希望が叶うならどうなりたいかを考えてみましょう。
例えば
- 海外を歩きながら仕事がしたい
- 漫画に出てくるような大豪邸に住みたい
- 世界中の人を笑顔にしたい
次に,理想像に対して,現在の状況を考えてみます。
そうすると,何が足りないかが見えてくるので,じゃあどうすればいいのかを考えます。
出てきやすいのが下の例です。
例えば
- 年収を上げる:出世,儲かる業界への転職,副業
- 成し遂げたいことをやる:出世,起業
- 自分や家族に使える時間を増やす:ホワイト企業への転職,フリーランス
このように,やるべきことが分かってくると思います。
5年後,10年後を明確にイメージできる程,実現に近づきます。
とは言え,そこまで具体的に出てこない人も多いと思いますので,先ずは例に挙げたくらいのことをイメージしましょう。
STEP 2. 市場価値を知る
市場価値を知るのに一番手っ取り早いのが転職エージェントに登録することです。
転職エージェントは,あなたを入社させれば報酬が発生するので,あなたに内定が出そうな企業を紹介します。
なので,紹介された企業があなたの市場価値である可能性が高いです。
また,求人情報に必要なスキル等が書いてあるので,実際に興味のある企業や現在の市場でどんなスキルが求められているかが分かります。
その必要なスキルを得るための行動を現在の会社で実施しましょう。
例えば
- 設備開発の経験が必要 ⇒ 開発PJへの参加
- IoT,AIの導入経験が必要 ⇒ IoT,AIの勉強と社内提案
- 現場改善の経験が必要 ⇒ 改善手法の勉強と実践
このように,今後必要になりそうなスキルが分かるので,無駄に資格を取る必要がないことが分かりますね。
他社でも通用するスキルを身に付け,いつでも転職できる状態にしておくと良いです。
その上で,本当に転職したいときに転職活動を始めましょう。
(3)配属が不本意で辞めたい場合
- 生産技術でできないことなのかを今一度考える
- 共通するスキルで実績を作る
- 求められているスキルを調べる
- 上司や人事に相談する
- 転職活動を始める
先ずは,今一度,本当に今の配属部署で実現できないことなのかを考えましょう。
私は開発をやりたかったのですが,生産技術にも開発要素があるんですよね。
次に,やりたいことや異動したい部署で必要なスキルを調べ,生産技術のスキルと共通することを考えましょう。
上述していますが,転職エージェントや転職サイトで求人情報を見れば,必要なスキルが分かりますので見てみましょう。
また,あなたがなぜ生産技術に配属されたのかを人事に聞いてみることも有効です。
「現場を知ったうえで,開発に取り組んでほしい」とキャリアを考えられている可能性もあります。
その上で,やっぱり転職したいと感じたら転職活動を始めましょう。
お金の不安ならライフプランの見直しもおすすめです。
第3者であるFPに相談することで客観的な判断ができるようになります。詳細は「【体験レビュー】押し売り無しの無料FP相談「お金のみらいマップ」」をご参照ください。
モヤモヤする場合はキャリアコーチングがおすすめ
自分だけで自己分析をやると限界があります。そこでおすすめしたいのがキャリアコーチングです。
キャリアコーチングは転職を前提としないキャリアの相談ができるサービスです。あくまでコーチングであり、自分自身で自分の中にある潜在的な強みややりたいことを引き出す支援をしてもらえます。
将来について漠然と不安に思っていたり、現状のキャリアに不満があるけど何をしたらいいのか分からない人におすすめです。
転職エージェントとの違いやおすすめのキャリアコーチングは「【キャリアのモヤモヤを解消】キャリアコーチングとは?おすすめ6選紹介」をご参照ください。
まとめ
- キャリアの棚卸
- 自己分析
- キャリアプランの作成
- 市場価値の確認
納得のいく転職をするためには,上のことは確実に実施しましょう。
私は転職したいと思ってから,1年間考えました。
自分についてとことん深掘りすることが納得度や幸福度を上げるポイントです。
また,どんな状況であっても大切なことは,いつでも動ける準備をしておくことです。
とは言っても,行動できる人が少ないのが実情です。
変える行動には,勇気や労力が必要ですが,早めに行動して,他の人と差をつけましょう。
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