「生産技術の仕事がつまらない。」
「やりがいが分からない。」
生産技術の仕事がつまらなくて,このまま今の仕事を続けていいのか悩んでいませんか。
確かに,つまらないと感じる仕事もありますが,私は面白いと思っています。
特に,自分の仕事の成果が目に見えて分かるので,やりがいが感じられます。
また,キャリアアップにつながるスキルが身に付くことも魅力の一つだと思っています。
今回は私の経験から,やりがいを感じる理由と魅力を紹介します。
生産技術を続けてみるのか,次のステップに進むのかの選択の参考になれば幸いです。
生産技術をつまらないと感じる理由
調整業務が多い
生産技術は調整役になることが多いです。仕事上,様々な部署の人と付き合います。
新しいラインの立上や設備導入,新製品の量産準備,現場改善を通じて,設計や品質保障,生産管理,製造,購買,他メーカーとのやり取りが発生します。
色んな所に顔を出しているので,何でも屋になることが多いです。「取り敢えず生産技術に言っとけば大丈夫だろう」という風潮があります。
このように,人を調整する役回りが面倒だという人も多いかと思います。「技術職なんだからもっと技術的なことがしたい」と思う方も多いでしょう。
書類作成が多い
品質管理,手順書,リスク管理,設備管理,治具管理,ツール管理等,生産に関わる書類を全て作成しなければなりません。また,作成だけでなく改正も頻繁にあるので,1つ変更するとそれに付随して色んな書類を改正しなければならなくなることも多いです。
いかに効率よく業務を行うかは常に課題となります。
個人的には,現場改善も大事ですが生産技術の業務改善ももっと行うべきだと思います。現場対応で手一杯になってしまうので,自分のことが疎かになりがちですが,生技自体の業務改善は私もやりたいと思っています。
保守的
工場は保守的な傾向にあります。生産が止まってしまうと製品を供給できず,お客様との信頼関係が損なわれてしまうからです。そのため、「今までこれでできてたんだから変える必要ないじゃん」という風潮が強いです。
また,センサー等の設備部品も極力標準化したいことから,新しいものは中々受け入れられません。メンテナンスが面倒くさくなるからです。そのため,世の中で良い部品が出てきても導入するのに時間がかかります。
コスト管理が厳しい
工場では製品売上と稼働費が直接的に工場経営に響いてきます。その分かりやすい仕組みから,コスト管理が非常に厳しいです。部品一つでも簡単に買うことが難しいです。
新しい技術を取り入れるには色んな稟議を通す必要があり,なかなか思うようにやりたいことができないのが現実です。
地道な改善が多い
危険な作業をさせない,悪いものを作らせない,流させないというのが前提ですが,その上で生産数を上げなければなりません。そのため,設備や作業のサイクルタイムを1秒でも0.1秒でも短縮するということを常に考えています。
設備の改造はもちろんですが,工具置き場の位置や作業手順の見直しまで,小さなこともとにかく無駄を無くすことが求められます。
コストがかかる大きな改造が難しいため,地道な改善が多いです。
生産技術のやりがいと魅力
モノづくりの現場に近い
メーカーに就職したからには,モノづくりに携わりたいと思っていた人が多いのではないでしょうか。中でも生産技術は最もモノづくりの現場に近い部署の一つです。
自社製品が実際に作られている様子を間近で,毎日のように,飽きるほど見ることができます。会社内の誰よりも自社製品を知ることができるはずです。
設備が思い通りに動く
生産ラインや設備の導入は生産技術の仕事の一つです。
もちろん仕様も全て自分で決めます。自分が考えた設備が動くなんて,モノづくりの醍醐味じゃないでしょうか。特に誰もやったことがない設備を入れた時には,「あれは○○氏の設備だ」と,歴史に名を刻みます。
社内で初めての技術には積極的にチャレンジすると面白いですよ。
仕事の成果がすぐに分かる
生産技術の仕事の多くは改善業務になります。改善してラインが動き出すと,生産出来高が伸びたことがすぐに分かることも少なくありません。
設計の場合,改善してから効果が確認できるまでの時間が長いです。場合によっては,お客様が使うまで分からないこともあります。技術職の中では,最も仕事の成果が分かりやすい職種と言えるでしょう。
海外で仕事ができる
海外に工場を持っている企業限定ですが,海外勤務を希望している人にとってはチャンスがあります。
私の周りでは海外勤務したいと言っている人は意外と少ない印象です。そのため,手を挙げれば海外勤務の可能性は非常に高くなると思います。
また,海外工場ではマネージメント業務がメインになることが多いので,出世にも少なからず響きます。海外でマネージメントの経験なんてなかなかできることではないので,チャンスがあればチャレンジしてみると今後の役に立つはずです。
オンライン英会話スクールのワールドトークでは海外駐在の日本人講師が多く、リアルな海外駐在話が聞けるので興味があれば「【日本人講師のメリットが大量発生!?】ワールドトークの評判まとめ」をご参照ください。
汎用性の高いスキルが身につく
主に下の3つのスキルが身につきます。
- マネージメント
- 問題解決
- コミュニケーション
お分かりのように,これらのスキルは他の会社でも生かすことができるため,転職もしやすいです。
定時が早い
工場勤務になる場合が大半です。工場勤務の場合,始業が早く定時も早いことが多いです。
寄り道しやすくなります。オフィスに勤めていたら郵便局の開いている時間には間に合わなかった,と思うこともよくあります。
郊外に住める
都会の喧騒に悩む必要がありません。
私は元々都会育ちなので慣れてはいますが,中には,上京したけど都会の喧騒に耐えられなくて,結局田舎に戻る人も多いです。
郊外は人が少なく,自然が多く,家が広いため,普段の生活のストレスは都会よりも遥かに小さいです。在宅ワークが増えてきた今,郊外に住みたいという人も多いです。
生産技術を楽しむ方法
モノづくりを楽しむ
メーカーに勤めている以上,モノづくりを楽しむことが大事です。
材料から加工されて出来上がる様子,さらには組み上がる様子を見ると面白いですよね。この様子が見られるのは,生産技術ならではです。
身の回りの生活の中で使われている製品が,どんな風に作られているかを知り,モノづくりを感じましょう。
会社の誰よりも製品を知る
皆さんは自社の製品の特徴を言えますか?
大企業になると実際の製品をあまり見たことがないという人も少なくないです。誇りを持って働くためにも,製品のことを誰よりも知っておくとやりがいに繋がります。
また,友人や転職の面接で自社製品の特徴を話せると印象が良いですよね。「どこが良くて,どこが課題なのか」はしっかり把握しておきましょう。
現場作業者の相談相手になる
コミュニケーションを楽しむことは,生産技術において一番大事です。特に現場の作業者の相談相手になることは必須です。
皆さんのイメージにもあると思いますが,現場の作業者は情が厚い人が多いです。ちゃんと信頼されていれば,多少無理な頼みでも「お前のためなら」とやってもらえることもあります。
そのためにも,普段から作業者の不満をよく聞いて,少しでも解決してあげることが大事です。
自分の仕事の貢献度を知る
生産技術はライン改善の業務が多いですが,自分の改善がどのくらい会社に貢献しているのかを意識しましょう。
具体的にはコスト換算することです。
例えば,加工工程で工具寿命が延びれば,工具の消耗頻度は減り,稼働費削減になります。さらには,設備停止時間が減るので稼働率が上がり,生産数が上がります。
このように,自分の改善でいくら稼働費が削減できて,いくら分の生産数UPになったのかを知ると,会社への貢献度が具体的に分かり,モチベーションも高まります
どうしてもやりがいを感じられない場合の対処法
先ずは自己分析をする
先ずは自己分析をしっかりすることをおすすめします。職種を変えるアクションを取る場合,不満が理由だと満足する結果が得られないことが多いです。
気持ちは分かりますが,一旦冷静になって自分のキャリアを考えましょう。少なくとも以下のことを書き出してから,アクションに繋げましょう。
- やりたいことを探す
- キャリアの棚卸をする
- キャリアプランを考える
異動を考える
希望の職種があれば,先ずは異動を考えましょう。なぜなら,転職の場合,退職や転職先での振舞いには気を遣うことも多く,パワーが要るからです。
ただし,タイミングや人事によっては異動が難しいことがあります。
ずっと異動したいアピールをしているのに,結局同じ部署にいる人も多いです。
ローテーションが頻繁に行われている会社なら,先ずは異動を考えましょう。
転職を考える
次に考えたいのが転職ですが,中途採用だと即戦力を求められることが多いので,職種をガラッと変えることはハードルが高いです。
ただし,未経験でもOKの会社も少なくありません。特に30歳以下の人にとっては,選択肢は多いです。
また,おすすめは業界を変えずに職種だけ変える転職です。専門性を完全に損なわずに転職できるので,転職先でも専門性をさらに高めることができます。
「業界も変えたいんだけど・・・」
という人もいると思いますが,2段階で転職を考えると専門性を高めていきやすいです。
最終的なキャリアを明確にしておけば,このようにルートを決めることができるので,自己分析は大事なんです。転職活動の始め方は「【流れを知ろう】転職活動の始め方とスケジュール感とは?」をご参照ください。
副業を考える
なかなかやりたいことが見つからない場合は副業を始めてみるのも選択肢の一つです。本業がある分,大きなリスクを伴わずにチャレンジできます。
合わないと思えば違うことに切り替えればOKです。
ただし,サブの仕事だと思ってしまい,中途半端になりがちです。副業と言えど仕事なので,稼ぐようになるにはそれなりに努力しなければなりません。
その代わり,副業の稼ぎが本業より多くなり,好きなことで暮らしている人も中にはいます。
副業の例
- ブログ
- Webライター
- 動画制作
- プログラミング
他にも調べればたくさん出てきますので,自分の得意なことや好きなことを仕事にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
生産技術は技術職としては華が無く,地道な仕事が多いので他の職種に目が行ってしまいがちです。
でも,やりがいやキャリアアップを考えると決して悪くないと思っています。
モノづくりが好きな方にとっては,申し分ない仕事だと思います。
また,どんな職種にもつまらないことや嫌なことは必ずあります。
好きなことだけをやって生きられる人はいないと思います。
少々つまらないことや嫌なことがあっても,今の仕事で成果を出すことを先ずは考えましょう。
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