今回は学び効率が最大化する「インプット大全」を紹介します。
本書の著者は,精神科医であり作家としても活躍する樺沢紫苑さんです。
「アウトプット大全」とのシリーズ累計70万部を突破したベストセラーシリーズです。
情報社会である今,スマホでたくさんの情報を見ることが多いと思いますが,その情報吸収率はわずか3%しかないといいます。
なんとなく眺めているだけでは,ほとんどのことを忘れてしまうということです。
せっかく勉強するなら身に付けたいですよね。
どうやってインプットの精度を高めるか,ということが本書には書かれています。
本書の内容の中から,私が重要だと思ったポイントを3つ紹介します。
こんな人におすすめ
- 勉強してもすぐ忘れてしまう
- 勉強が長続きしない
- 興味のアンテナを広げたい
インプットの前に「ゴール」と「方向性」を決める
インプットをする事前準備として「ゴール」と「方向性」を決めましょう。
いつまでに,どんな状態になっていたいかを明確にすることで,手段が決まってきます。
例えば,「英語を勉強したい」となった時,目標を「1年後にTOEICで600点取る」とします。
目標:1年後にTOEICで600点を取る
⇒現状は400点だからあと200点必要だ
⇒リスニングの点数が低いからリスニングを中心に勉強しよう
⇒TOEIC本番前の1か月は模擬問題を中心にしたいから,○月まではテキストで勉強しよう
⇒このテキストを終わらせるには週○時間勉強しよう
このように,具体的な進め方を決められれば,あとは実行していくだけです。
余計なインプットはせずに,「リスニングで200点上げる」だけのインプットに集中できるわけです。
勉強が続かない1つの原因として,ただ漠然と勉強していることが挙げられます。
余計な情報をインプットすると,飽きてしまいますし,何のために勉強しているのかを見失ってしまいますからね。
必要な時に必要な分だけ勉強することで,インプットの精度を高めることができます。
ちなみに,漠然とした大きな目標なら,それを細分化して,各ステップ毎に具体的な目標を立てておけば,今の自分は何をするべきかが明確になり,動きやすくなります。
アウトプット前提のインプットをする
アウトプットとは,人に話したり,プレゼンしたり,シェアしたり,感想文を書いたりすることです。
インプットする前に,アウトプットすることを事前に決めておきましょう。
心理的プレッシャーで緊張状態になると,脳内物質ノルアドレナリンが分泌され,集中力が向上するため,記憶力,思考力,判断力が高まるとのことです。
皆さんも授業とかで,「この後発表してもらうからな」と言われると,集中して課題に取り組みませんでしたか。
それと同じで,自ら緊張状態に持っていくんです。
そうすると,集中し,記憶に残りやすくなります。
インプットの例を3つ挙げます。
例1:読書
本は読むだけでは,自己成長にはつながりません。
本書では「速読」ではなく「深読」すべきだと書かれています。
「たくさん読む」よりも「深く読む」ということです。
深読のレベルは,内容を自分の言葉で説明できるレベルです。
アウトプットを前提にすると,必然的にそのレベルまで引き上げられますよね。
具体的には下のような行動です。
(1)本を読みながら,「気付き」「アイデア」「ベスト名言」をメモする。(2)SNS等で読書感想文を発信する。
(3)気付きを実践する。
自己啓発本は,気付きを実践して初めて自己成長につながるので,アウトプットまでを意識しましょう。
例2:セミナー
セミナーのような「生で聞く」ということは非常に有効であると本書には書かれています。
言語的情報である「文字」だけでなく,非言語的情報である「音」や「動き」,「感情」があるからです。
感情が揺さぶられると脳内物質ドーパミンが分泌され,圧倒的に記憶に残るとのことです。
さらに,最前列に座り,緊張感のある中で聞くとなお良いですよね。
また,セミナーを聴講するときは事前に目的を決めておくことが大事です。
「なんとなく」聞くよりも圧倒的に集中力が高まります。
最後はやはり,気付きを実践します。
(1)セミナーを聞く「目的」「テーマ」を決める。
(2)「気付き」「要点」「重要ポイント」をメモする。
(3)セミナー後,気付きを実践する。
ちなみに,メモを取る目的は,後から見返すためではなく,脳を活性化させるためです。
聞いたこと全てメモしようとすると,聞くことに集中できないので,上に書いた3つのポイントをメモする程度で大丈夫です。
セミナーも実践までしないと意味がないので,しっかりアウトプットしましょう。
例3:芸術鑑賞
本書ではアートは必須のビジネススキルと書かれています。
理由は,脳の非言語領域を活性化することができるからです。
セミナーの例のように,非言語情報のインプットは記憶に残りやすいので,非言語領域の活性化は効果的だと分かりますよね。
「想像力」「観察力」「論理能力」「計画実行力」「コミュニケーション力」「他者への理解力」が伸びるとされています。
芸術鑑賞ってある程度の知識が無いとサッパリ理解できませんよね。
そこで,芸術鑑賞の初心者におすすめなのが音声ガイドです。
美術館なんかには結構あったりします。
解説があれば,作家の歴史や作品の背景が分かって,腑に落ちやすいですよね。
また,興味を持った作家がいれば,物販の本を購入して理解を深めるのも効果的です。
最後に,芸術鑑賞が終わったらシェアしましょう。
(1)音声ガイドで作家と作品について聞く。
(2)作品を見て,「気付き」「感想」「感情」をメモする。
(3)感想をシェアする。
セミナーの例でも挙げましたが,感情が揺さぶられる体験は自己成長を加速させます。
なので,芸術だけではなく,映画鑑賞や旅行等も自己成長につながるんです。
日常生活の行動にテーマを決める
日常生活の中でも「気付き」や「アイデア」をどんどんメモしましょう。
旅行や散歩,ドライブをする時に,テーマを決めることで気付きを得られる可能性が高まります。
例えば,「おしゃれな店を見つけよう」とか「ベストショット風景を見つけよう」とかです。
そのように意識することで,今まで気づかなかったことに気づくことができます。
つまり,知識のアンテナが広がるんです。
ここで大事なのは,「気付きを得る思考習慣を身に付ける」ことだと思います。
習慣化することで,勝手に知識量が増え,自己成長につながっていきます。
テレビなんかも娯楽だと言われますが,膨大な情報量を扱っているわけですから,これもアウトプット前提で見ていれば自己成長につながります。
まとめ
- インプットの前に「ゴール」と「方向性」を決める
- アウトプット前提のインプットをする
- 日常生活の行動にテーマを決める
インプットとアウトプットは表裏一体です。
得たことをアウトプットできる状態にすることで初めて身に付きます。
「なんとなく」はNGです。
私もアウトプットの場としてブログを始めました。
皆さんも是非,真の自己成長をするために精度の高いインプットをしましょう。
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