- メーカーの技術職について知りたい。
- 研究開発,設計,生産技術のどれが自分に向いてるんだろう?
- どんな性格の人が多いんだろう?
私も就活している時に,希望の職種をどれにしようか悩みました。
希望通りにいかないこともありますけどね。
先ず,「自分に向いている職種は何か?」というよくある悩みに対しての結論は,「やってみなければ分からない」です。
とは言っても,入社前後のイメージのギャップは小さくしておきたいですよね。
技術職の中でも設計と生産技術について,私の実際の経験から語りたいと思います。
少しでもイメージが伝わると幸いです。
本記事から分かること
- 仕事内容
- 必要なスキル
- どんな性格の人に向いているか
- 良いところ,悪いところ
私の経歴(2022年現在)
- 理系大学院修士卒
- 新卒でメーカーに入社し,基本設計を5年担当
- 異業種メーカーに転職し,生産技術を3年担当
設計
(1)仕事内容
「設計」と聞くと,図面をゴリゴリ描くイメージをされる方も多いと思います。
ただ,私がやっていたのは基本設計なので,そのイメージとはちょっと違います。
私の場合は,プラント内の設備をシステムごと納入していて,規模が少し大きかったので,基本設計と詳細設計とで分かれていました。
会社によって切り分けは違いますが,一般的には,基本設計と詳細設計の両方をやるのが設計です。
また,設計の中にも種類があります。
製品設計と設備設計,その中でもBtoB,BtoC,自社工場内向けとで,仕事の内容は若干変わってきます。
関わる人やモノが違うだけなので,基本は同じだと思っていただいて良いかと思います。
さて,仕事の内容をまとめるとこんな感じです。
①見積
- お客様との要件定義(希望を聞く)
- 設計検討
- 外部協力メーカーへの検討依頼および見積依頼
- 社内関係部署への検討依頼および見積依頼
- 見積作成
- 社内審議
- 提案資料作成
- お客様にプレゼン提案
②受注
- お客様との詳細仕様の打合せ
- 詳細設計検討
- 外部協力メーカーとの詳細仕様の打合せ
- 社内関係部署との打合せ
- 購買部署に発注依頼(必要な部品,設備)
- お客様と工事計画の打合せ
- 納入
- 試運転調整
- 稼働立ち合い
(2)必要なスキル
- コミュニケーション
- CAD
- 工学系知識
- マイクロソフト
仕事内容を見て分かると思いますが,圧倒的にコミュニケーションを取らなければならないタイミングが多いです。
実は設計検討する時間はかなり限られています。
必要なスキルとして挙げましたが,どれも入社してから学べば問題ありません。
(3)性格
- 真面目
- 発想力豊
- 効率がいい
アイデアを検討する必要があるので,真面目で発想力の豊かな人が多いです。
あとは色んな人と関りながら自分の仕事をこなしていかなければならないので,効率の良い人が多いです。
(4)良い点,悪い点
良い点
- コミュニケーション力が鍛えられる
- 設計検討力が身に付く
- 出張に行ける
スキルが身に付くのは当然ですが,場合によっては出張に頻繁に行けます。
出張は一長一短あるんですが,出張に出ている間は自分の仕事が進まないというデメリットの一方で,美味しいものを食べに行けるということで,私は好きでした。
そのおかげでマイル修行をしなくとも上級ステータスのカードを持つことができています。
悪い点
- 自分の仕事が後回しになる
- 常に納期に迫られる
- 人間関係に悩む
仕事を進めるために,先ずは他の人に依頼をかけて進めてもらうことから始まります。
自分だけで完結できるものは後回しにしないと仕事が納期に間に合いません。
関わる人が多い中で,当然,自分に合わない人もいるので,人間関係に悩みます。
生産技術
(1)仕事内容
生産技術は会社によって色があると思いますが,基本的には工場勤務になります。
工場内の生産性向上を目指し,新しい設備の立ち上げや既存ラインの改善がメインです。
①新規設備立ち上げ(大規模改造案件含む)
- 仕様検討
- 外部協力メーカーへの検討依頼および見積依頼
- 社内審議
- 購買部署に発注依頼(必要な部品,設備)
- 外部協力メーカーとの詳細仕様の打合せ
- 試運転立ち合い
- 工事計画
- 納入
- 試運転調整
- 稼働
②既存ライン改善
- 現状分析
- 問題点抽出
- 対策立案
- 仕様検討
- 対策実施
- 効果確認(※効果が無ければ上記繰り返し)
- 標準化
(2)必要なスキル
- コミュニケーション
- CAD
- 工学系知識
- マイクロソフト
- 設備の知識(操作方法,構造)
生産技術も色んな部署と関わるため,圧倒的にコミュニケーションを取らなければならないタイミングが多いです。
また,設備を実際に触りながら調整や改善をするので,設備の知識が必要です。
ただし,やはりどれも入社してから学べば問題ありません。
(3)性格
- マイペース
- 知識豊富
- 明るい
長いこと生産技術で働いている人はかなり設備の知識が豊富です。
また,製品の量産化がマストの場合は納期が厳しいですが,生産に大きな影響を及ぼさない案件は放置されがちで,マイペースな人が多い印象です。
工場はうるさいので,明るいというより声が大きい人が多いです。
(4)良い点,悪い点
良い点
- コミュニケーション力が鍛えられる
- 設備の知識が身に付く
- 改善効果が目に見えて分かる
一番のメリットは,自分が手を動かして改善した効果をすぐに自分の目で確認できることです。
簡単に済まないことの方が多いですが,改善効果が見え,生産能力が上がるのを見ると嬉しくなります。
また,現場の作業者が暇そうにしているのを見ると改善した効果を実感できます。
悪い点
- うるさい,汚い,臭い
- 休日出勤がある
- 人間関係に悩む
工場は「うるさい,汚い,臭い」です。
クリーンな工場もありますが,加工機を扱っている工場は大抵作業着がめちゃくちゃ汚れます。
また,改造や工事は生産ラインが止まっている間にやらなければならないため,休日出勤が多いです。
そして,設計と同様に,関わる人が多いので,人間関係に悩みます。
まとめ
いかがでしょうか。
少しでもイメージを持っていただけると幸いです。
見て分かると思いますが,共通しているのはコミュニケーションが重要だということです。
「人間の悩みは全て対人関係によるもの」と言われているほどで,どの職種でも逃げようがないんですよね。
私もコミュニケーションがすごく苦手だったんですけど,ビジネスだと割り切ると案外慣れます。
コミュニケーションスキルも入社してから間違いなくつきますので,ご安心を。
ちなみに,対人関係の悩みを軽減するには「嫌われる勇気」という名著をおすすめします。
要約したページがありますので,よければご覧ください。
冒頭に書きましたが,「どちらが向いているか」は「やってみないと分からない」です。
できれば,両方,そして,この2つに限らず,色んな職種を経験して自分が楽しいと思える仕事をすることが一番です。
人生の大半は仕事ですから,是非とも楽しいと思える仕事に全力で取り組んでいきましょう。
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