「自分の向いてる仕事が分からない」
「天職に就きたい」
仕事が上手くいかなかったり,モチベーションが下がってきたりすると,こんな悩みも出てきますよね。かといって,むやみに転職を繰り返しても解決しないことも多いです。
なぜなら,一時的な感情だけで決めると,本質的なことが変わらない可能性が高いからです。そのため,先ずは冷静に自己分析することをおすすめします。
転職や異動といった人生の節目で自己分析をやることで,今後のキャリアの不安を軽減することができます。
本記事では,自己分析の中でも,向いてる仕事に着目したいと思います。
向いてる仕事の見つけ方や向いてない仕事への向き合い方について紹介します。
転職活動の準備や今後のキャリアの参考になれば幸いです。
本記事の参考書籍
向いてる仕事が分からない理由
(1)今の仕事に情熱を持てない
「仕事が面白くない」
「やりたいことじゃない」
一時的な感情で不安に感じることも多いです。
今の仕事に不満があり,モチベーションが上がらないため,向いていないと思い込んでしまう場合があります。
先ずは冷静に自己分析をしましょう。
(2)やりたいことが分からない
今の仕事はやりたいことじゃない。でも,そもそもやりたいことが分からない。
という人も多いのではないでしょうか。
そもそも「好きなこと」が「得意なこと」とは限りません。後述しますが,やりたいことと向いてることは別物です。
やりたいことを見つけたい場合は「【心配ご無用】やりたいことがないのは当たり前?その原因と解決方法とは?」を参考にしてみてください。
(3)得意なことに気付いていない
そもそも自分の得意なことに気付いていない場合も多いです。
なぜなら,得意なことは自分にとって当たり前に無意識にできてしまうことだからです。
得意なことを明確にすれば,自分の活躍の場が分かり,モチベーションが上がりやすくなります。
(4)自分を生かせる仕事が分からない
得意なことは分かっても,活躍の場が分からないこともあるでしょう。
職業は無数にありますし,会社によっても仕事のやり方が違うので,どこで働くのが正解なのか分からないですよね。
100%マッチする職場はまずありませんので、いかに情報を集め,何を割り切るかを明確にすることが大事です。
(5)分かろうとしていない
気持ちと行動が伴わない場合があります。
面倒だと思って何もしなければ何も変わりません。
1日,1か月あるいは1年でも行動して,変化が起きれば,その後の人生が満足いくものになるかもしれません。
向いてる仕事を見つける方法
(1)自己分析をする
先ずは自分の資質を知りましょう。
そのためのステップは以下の通りです。
自分の資質を知るステップ
(A)「ありがとう」やよく任されることを書き出す
(B)人より早く楽に飽きずにできることを書き出す
(C)自分の欠点やコンプレックスを書き出し,いい意味で置き換える
(D)心に引っかかること,ざわついたことを書き出す
(E)資質を組み合わせる
書き出した方が客観的に見えるので,必ず紙でもPCでもいいので書き出してみてください。
また,「こんなこと書き出すまでもないよな」と思う些細なことでも書き出してください。そういうところに自分でも気付いていない感情が埋もれている場合があります。
それでは順番にやっていきましょう。
(A)「ありがとう」やよく任されることを書き出す
例)
- 「分かりやすい資料を作ってくれてありがとう」 ⇒ 丁寧
- 「速く資料を作ってくれてありがとう」 ⇒ 効率がいい
- データをまとめる仕事をよく任される ⇒ データ分析がうまい
- リーダーに任命されることが多い ⇒ リーダーシップがある
このように,自分の中では何も意識していないのに,やたらと評価が高かったり,感謝されたりすることを書き出してみましょう。それが無意識にやっている得意なことです。
(B)人より早く楽に飽きずにできることを書き出す
例)
- どんな人ともすぐに友達になれる ⇒ 感受性が高く,相手の興味に沿って話せるから
- 約束に遅刻しない ⇒ 真面目で,時間管理の意識が高いから
このように,人より楽にできることを書き出します。さらに,できる理由を考えると自分の資質が見えてきます。
(C)自分の欠点やコンプレックスを書き出し,いい意味で置き換える
例)
- ずぼら ⇒ 前向き,細かいことは気にしない
- せっかち ⇒ 行動力があり,効率的に作業できる
このように,先ず欠点を明確にし,その対極には必ず良さがあります。
(D)心に引っかかること,ざわついたことを書き出す
例)
- 時間を守らない人がいてイライラした ⇒ 規律性,協調性を重んじている
- 仕事が雑だからもっと落ち着けと怒られた ⇒ 迅速さを重んじている
このように,イライラしたこと,怒られたこと,落ち込んだことの理由を書き出してみましょう。そうすると,自分が大切にしている価値観が浮かんできます。
(E)資質を組み合わせる
最後に今まで書き出して分かった資質を組み合わせてみましょう。
例)
- 論理的に考えている一方で,人を動かす情熱的な話し方ができる
- 規律を守りながらも,効率よく迅速に作業できる
このように,資質を組み合わせることでオリジナリティの高い資質が分かるようになります。
日常のことで忘れてしまう場合も多いので,1か月程度毎日日記を書くことをおすすめします。
日記はたった数行,寝る前の5分でOKです。
日記の書き方については「【大雑把でいい】キャリアプランを考える目的と考え方のステップ」をご参照ください。
(2)他者にインタビューする
自分がどういう人かを他の人に聞いてみましょう。
この時,極力,客観的に評価できる人を選んでください。特に友人の場合,気を使って本当のことを言えない人も中にはいます。
また,言われたことは素直に受け入れてください。
「いやいやオレはそんな人間じゃないよ」と否定するのはNGです。
他者からどう見えるのかは,自分では絶対に気付けないので,必ず受け入れましょう。今後の仕事の進め方についても,大きな参考になるはずです。
(3)適職診断を受ける
転職サイトに性格診断や適職診断ツールがあります。
以下のサイトは登録無料でできるので,是非試してみてください。ただし,飽くまで統計上のデータなので,参考資料として見てください。
その時の感情にも左右される場合があるので,くれぐれも鵜呑みにしないようにしてください。
(4)転職エージェントに相談する
自分を生かせる職種が分からない場合はプロに相談しましょう。
公務員や特別な資格が必要な職業は別ですが,企業に勤める場合には,転職エージェントに聞いてみると色んな情報が手に入ります。
特に大手転職エージェントは,数多くの転職希望者と採用希望企業とコンタクトを取っているため,情報量が多くあります。
率直に自分の資質を話し,マッチする企業がないかを聞いてみましょう。
転職エージェントの賢い使い方は「【賢く活用】転職エージェントの賢い使い方とは?プロにキャリアを相談する」をご参照ください。
(5)口コミサイトを確認する
皆さんも経験している通り,入社前後で少なからずギャップが生じているはずです。「こんなはずでは・・・」と思うことがあることでしょう。
そのようなギャップを最小限に抑えるのが口コミサイトです。
現職社員や元社員の口コミなので,リアルな情報が手に入ります。ただし,ネガティブな意見が書かれがちなので,これも鵜呑みにせず,参考程度にとどめてください。
向いてる仕事とやりたい仕事は別物
向いてる仕事とやりたい仕事は別物です。どちらも100%マッチする職場を見つけるのは困難です。
一長一短ありますので,どちらを優先するのかを決めるしかありません。
以下,メリット・デメリットを書きますので,参考にしてください。
(1)成果を出すなら向いてる仕事
自分の資質を生かした仕事は,成果を出しやすくなります。そのため,モチベーションの維持はしやすく,その中でやりたいことが見えてくることがあります。
ただし,自分にとっては当たり前にできることなので,情熱を注げず淡々とこなすだけになってしまう場合もあります。
どうしてもやりたいことがない場合は,向いている仕事を探しましょう。
(2)情熱を求めるならやりたい仕事
どうしてもやりたいことがある場合ややりがいを求める場合は,好きなことを仕事にしましょう。
ただし,それが自分に向いていない場合,成果が出ず,心が折れかねません。
強い情熱がある人は,やりたい仕事を探しましょう。
向いてない仕事への向き合い方
どんな仕事にも嫌なことや苦手なことをやらざるを得ない場面は出てきます。上手く付き合うことができれば,モチベーションは下がらずに済むはずです。
そのためのおすすめのステップは以下です。
向いてない仕事と向き合うステップ
(1)苦手なことを明確にする
(2)受け入れる
(3)苦手を軽減する構造を作る
(1)苦手なことを明確にする
先ずは苦手なことを明確にしてください。
これは「2.向いてる仕事を見つける方法」でも紹介したように,欠点やコンプレックス,上手くいっていないこと,怒られたことを書き出してください。
参考ですが,毎日日記をつけ,上手くいかなかったことの理由とその対極,つまり自分の良さを書けば,精神的安定にもつながります。日記はおすすめです。
(2)苦手を受け入れる
次に受け入れましょう。自分の弱点は割り切るしか無い場合が圧倒的に多いです。
とは言っても,苦手だからやらないのは,ただのわがままです。
(3)苦手を軽減する構造を作る
苦手なことを軽減する構造を作ることを考えましょう。
例)
- おっちょこちょいで同じミスを何度もしてしまう ⇒ チェックリストを作り,作業前に確認する
- 約束の時間にいつも間に合わない ⇒ 30分早い嘘の集合時間を伝えてもらう
強制的に,苦手なことができないようにしてしまおうということです。
面倒くさいことですが,これができるのとできないのとで,精神的安定はもちろんのこと,社会人としての評価も明らかに変わります。
余談ですが,これは構造的思考といって,失敗をさせないようにする思考です。自分以外のことでも,ユーザーやオペレーターが失敗しないような仕組みを作る時にも必要になる思考法です。できて損はありません。
まとめ【ポジティブな自己分析をすること】
自分がどうしたらいいのか分からなくなったら,先ずは自己分析をしてみましょう。
その時は必ず何かに書き出して,客観的に自分の気持ちを見てください。
「自分はなんてダメなんだ」と感情的にならず,「こういう人にはこういう良さがあるな」と,「自分事」を「他人事」に置き換えて考えてください。
ネガティブな感情の裏に,資質や価値観の良さが必ずあるはずです。
転職活動だけでなく,日頃から自己分析を取り入れることで,精神的安定と仕事へのモチベーション維持につながります。
一緒に豊かな人生を目指しましょう。
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