【本要約】「コンセプトのつくりかた」大ヒット商品Wiiの事例から学ぶ

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「新しい商品を作れって言われたけどアイデアが出てこない」

新しいアイデアなんてなかなか出てこないですよね。

今回は任天堂のWiiが生み出されるまでを題材として挙げている書籍「コンセプトのつくりかた」を紹介します。

著者は,Wiiの企画担当として初期のコンセプトづくりから携わっていた玉樹真一郎先生です。

本書では,コンセプトワークのステップも具体的に紹介されていますが,私からはコンセプトづくりにおいて大事なことを中心に紹介します。

このブログを読んで「具体的な手順を知りたい」と思った方は,是非,本書を手に取って読んでいただくことをおすすめします。

こんな人におすすめ

  • コンセプトワークの方法が知りたい
  • 新しい商品を開発したい
  • アイデアが出ない

管理人
よしくん

私は大手メーカーに勤める平凡なゆとり世代のサラリーマンです。
このブログでは自分の経験を基に満足するキャリアを目標に発信します。

・転職1回目:サービス残業100時間を超えるブラック企業から残業ほぼゼロのホワイト企業に転職
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「コンセプトのつくりかた」

「未知の良さ」で世界は変わる

皆さんはどんな思いで新しいものを作ろうと考えますか?

「世界中の人々を幸せにしたい!」

ものづくりの大前提として,そんな希望を持つことだろうと思います。

そう,コンセプトの中で最も大切なことは「世界を良くする」という思いを根底に持つことです。

本書ではそれを「コンセプトのコンセプト」と表現しています。

先ずはこれを見失わないことが最も優先されるべきことです。

迷ったら「世界を良くする」という,ものづくりの根底にあるコンセプトを思い出して突き進むんです。

じゃあどうやって「世界を良くする」の?

というのがコンセプトワークなわけです。

さて,先ず,新しいものを作ろうと思った時「良いもの」を作りたいと思いますよね。

ところが,コンセプトワークにおいて「良い」という言葉を使ってはいけません

その理由をこれから説明しますが,本書では「良さ」を2種類に分けています。

「既知の良さ」と「未知の良さ」です。

「既知の良さ」

誰もが直感的・本能的に良さを理解していて,簡単に説明できる良さのこと。

例)暖かくて軽いフリース,燃費のいい車 など

⇒膨大なリソースが必要だが,リソースがあれば実現可能

「未知の良さ」

良さ自体をうまく表現できず,簡単には理解してもらえない良さのこと。

しかし,良さが理解された時,他社が追従できない圧倒的な存在になる。

⇒「リソース以外の何か」が必要

この2種類を見て,皆さんが目指すのはどちらでしょうか。

当然,戦略もありますから,どちらも選択としてはあるわけです。

でも,新しいものを作りたいと思ったら,真似できない良さ「未知の良さ」を選びたいですよね。

話は戻りますが,コンセプトワークで「良い」という言葉を使ってはいけないというのは,「良い」と分かっているものはもう既に存在しており,新しくないんです。

なので,本当に新しいものを考えるときに,「良い」という表現は簡単には出てこないということです。

皆さんも,新しく導入されたものに対して

「前の方が良かったよ」

「こんなの使えないよ」

と思った経験ありませんか。

スマホとかもそうですよね。

「俺はガラケー派だし」

と言って,頑なにスマホを取り入れなかった人いませんか?

はい,私のことです。

でも,スマホももはや当たり前に皆使ってますよね。

このように,新しいものは初めは受け入れられなくても,良さが分かれば次第に広がっていくものなんです。

「未知の良さ」を実現できれば世界を変えられるんです。

ものづくりの4つの原理

本書では「ものづくりの4つの原理」が語られています。

  1. 好きになる
  2. 変わる
  3. わかる
  4. できる

1つずつ見ていきましょう。

1.好きになる

前提として,「良いもの」をつくるには,自分も幸せになることが大切です。

情熱を持ってものづくりに取り組みたいですもんね。

具体的な行動としては,ライバルの強いところ,自社の弱いところ,業界への悪口を吐き出してみてください

「え?超ネガティブじゃん」

って思うでしょう。

でも,そういう負のオーラって「こうありたい」っていう切実な願いの裏返しなんです。

その切実な願いを具体化したいと思った時,猛烈に好きになるんです。

2.変わる

負のオーラをまとったトピックスを広げてみましょう。

「こんなのできたらいいよね」という願いや「こんなのできっこない」という否定の言葉が出てきたら,それは「未知の良さ」を秘めています

そう思った時点で,多分,世の中で誰もやってないですよね。

ハードルは非常に高いし,不安がぬぐえることはおそらくありません。

ですが,世界を変えるには自分も変わらなければなりません

その一歩を踏み出した時,「未知の良さ」に足を踏み入れているんです。

3.わかる

ものづくりをする上で,コンセプトを周りに理解してもらわないといけないですよね。

でも,前にも述べている通り「未知の良さ」は理解してもらうことが難しいんです。

じゃあどうするか。

①何をしたいか ②何を用いるか を考え,20文字程度の言葉でまとめ,人の心にとどまりやすいようにするんです。

本書の例を挙げましょう。

「ゲーム人口の拡大:年齢・性別・ゲーム経験の有無に関わらず誰にでも楽しめる」

⇒①ゲーム人口を拡大したい ②誰でも楽しめるゲームを使って

これはあくまで,任天堂全体としてのコンセプトですが,考え方は同じです。

ちなみに英語や数字は人の頭に残りにくいので,控えた方が良いです。

「未知の良さ」は伝えるのことは難しいですが,ちゃんと伝われば目指すべき強い指針となり,一丸となって実現に向かうことができます。

4.できる

ものづくりですから,実現しなければなりません。

しかし,誰もやったことのないことをやるのは簡単なことではありません。

完成するまで不安が無くなることはなかったと本書では語られています。

迷ったらコンセプトを思い出して,それを信じぬくことで道が拓けます

さらに言えば,根底の「世界を良くする」ことを思い出して,「良いもの」を生み出しましょう。

任天堂の大ヒット商品Wiiの事例

ものづくりの4つの原理を紹介しましたが,それに沿って本書で書かれている事例のほんの一部を簡単に紹介します。

1.好きになる

業界への悪口を挙げます。

  • ゲームが嫌われるのは嫌
  • ゲーム脳っていうな
  • 奥さんゲーム嫌い

など

2.変わる

最も負のオーラが強い「ゲーム脳っていうな」を広げます。

(1)ゲーム脳のイメージ

  • ゲームは勉強時間を減らす
  • 1人で遊んでいるように見える
  • 無表情で遊ぶ

(2)どんなゲームならいいか

  • ニコニコしながらゲーム
  • 女性がワイワイ遊ぶ
  • 鍋みたいなゲーム

3.わかる

コンテンツをグループ化します。

  • ゲーム脳と言われてしまうようなゲーム
  • 女性にも楽しんでもらえるようなゲーム

※本書ではもっとたくさんの項目出しと細かいグループ分けがされています。

4.できる

上の対局するグループをつなげるものは何か。

家族全員で遊べるゲーム

  • リビングに堂々と置けるゲーム
  • 気軽に手に取って遊べるコントローラー

最終的には何を優先するかということで,本書では「お母さんに嫌われないゲーム」をコンセプトとしてまとめています。

まとめ

『コンセプトのつくりかた』まとめ

「未知の良さ」が実現されれば,それは「既知の良さ」になります

過去のコンセプトを超え続けることがものづくりです。

最後に改めてお伝えしますが,本書はコンセプトワークの具体的なステップを大ヒット商品Wiiの事例で紹介されています。

是非,一度手に取ってみることをおすすめします。

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